テキストサイズ

ジッパー様

第19章 真実

「なんだよ、お前らも来たのかよ」

「あった、あった。この椅子だろ」

「なんだ、普通の椅子じゃん」

「で? この椅子から白い手が出たって?」


 進藤さんの椅子は、同僚たちが近づいても何も起きなかった。


「つうかさ、思い込みじゃね? 幽霊の正体見たり枯れ尾花ってよく言うだろ」

「なんだ、鈴村さんがオナニーしてただけか」

「やばいじゃん、痴女じゃん」

「じゃあ、鈴村にはもう一度ここでオナってもらおうぜ。その方がいいのが撮れそうだ」

「……っ……」


 私は無理やり椅子に座らされた。そして周りからバレないよう同僚たちに囲まれた。


「でもさ、中に人がいたらどうする?」

「え、ここ廃墟じゃないの?」

「まあ、いざとなったら鈴村置いて逃げようぜ」

「うわ~鬼畜」


 私はコートの前をはだけさせられ、一人でするよう圧力をかけられた。


 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ