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ジッパー様

第22章 ジッパー様の正体

「シホ様、ではごゆっくり」


 マヤが部屋を出て行った。
 すると小鳥が私から離れ、ジッパー様の姿になった。


「ジッパー様っ……」


 何度見ても信じられない。
 ジッパー様は小鳥になる時もあれば、背中に羽根を生やし、鳥人間になるときもある。


「いい匂いだね、それはコルヌッテかな?」

「はい……。マヤが料理長から学んで作ったそうです。ジッパー様の……故郷のお菓子なんですよね」

「ああ、懐かしいな。よく料理長に作ってもらった」


 私はジッパー様をジッと見つめた。
 ジッパー様は人間なのか鳥なのか、ずっと気になっていた。


 でも不思議と怖くない。
 だってそのおかげで、私はこうして自由になれたのだから……。


「シホ、私の事が知りたい?」

「えっ……。は、はい……」



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