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ジッパー様

第22章 ジッパー様の正体

「ああっ……」


 あっという間に達してしまった私は、くたっとジッパー様に身を預けた。そして幸せを感じる。でもうっすら目を開けた時に気づいてしまった、ジッパー様の腕が四本あることに……。


「ついに気づいてしまったんですね」

「……っ……」


 言葉が出なかった。
 そしてさっき言っていたジッパー様の言葉を思い出して、震える。


 今もあの時も、複数の手に触られている感覚は気のせいじゃなかった。本当に複数の手に触られていたのだ。


「私が怖いですか?」

「……そんなっ……こと……」

「無理しなくていいんですよ」


 ジッパー様は寂しそうに微笑んだ。


「受け入れられないのは当然です、私は化け物なんですから」

「……っ……」



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