
秘密男子
第1章 No.1
「ねえ」
思わず話しかけてしまった。
彼の目玉だけがギョロリとこっちを向く。
え?睨まれてる?私...
「あ、いや、えと.......」
つい話しかけただけで、
特に要件なんてなかったから思わず焦る。
「な、名前!なんだっけ?」
待って。
私、すごく失礼なこと言ってない?
「............柴崎隼斗」
「あっ、そうだそうだ!柴崎くんだったね!」
なんて。
今初めて知ったんだけどね.....
「千里」
「へっ......?」
「千里だろ?」
「ち、ちさとですが.....?」
「うん」
それだけ言ってまた音楽を聴き始めた。
名前を知ってたことにもびっくりだけど
いきなり呼び捨てっていうのもびっくりなんだけど!?
ちょっと関わりにくそうなタイプ....
