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秘密男子

第1章 No.1





「え、ええと、、、、?」



千里、ただいま瞬きができない状況にあります、



何でって?


う、うちのクラスに....せ、先輩が.....




「美咲!」




ハッと我に戻る、


そ、そうだよね?そりゃみーちゃんだよね?


このクラスに用事があるなんて

それは絶対みーちゃんが関係してる。



みーちゃんは先輩の中学時代の元カノで

一番距離が近い女の子なんだから。





谷神奏 先輩。

私の好きな人。



話したこともなくて、学校ですれちがうだけで

心臓がドキドキする。





みーちゃんが申し訳なさそうな顔でこちらを見る



「えと、あの、ごめんね?

ちょっと行ってくる.....すぐ戻るから!」



「いや、ううん!大丈夫だよ!」



こういうことは度々あって。


先輩が私の近くにいるのは

みーちゃんがいるときだけ。



まだ好きなのかな、ってたまに考えて

ちょっと胸がキュッ...てなるけど

気にしたら負け。





席に座ると、後ろの席の子がトントン、

と肩を叩いた。




「え?」




「ゴミ、ついてる」




「え?ああ、ありがとう.....」




その子は優しく制服についたホコリを取ってくれて

何にもなかった顔をしてイヤホンで音楽を聴き始めた。




こんな美形、うちのクラスにいたんだ......。





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