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ALL MY LOVE IS FOR YOU

第2章 OH!【赤白】





-そして本当に1年が経った。

「いやまかさね」
「こんな展開になるとはね」
「俺だって思ってなかったんだよ」

まるで言い訳するように男衆4人からの厳しい視線に答える。
ガオレンジャーとしての指名を終えたあとでも6人は定期的に集合していた。
爽やかな風が吹く草原の中、レジャーシートを広げ弁当を食べているのだが、走の心情は爽やかとはかけ離れていた。

「前に会ったときはまだ付き合ってなかったよな?」
「…はい」

海の棘のある言い方に思わず敬語になる。

「いつから惚れていたんだ?…まさか戦いの最中か!?」
「いやいや!!違っ!えっと、」

月麿の疑問に慌てて否定をする。

「冴も何か言えよ!」

焦る走に振られた冴はガオレンジャーだった時代より一段と綺麗になり、大人っぽくなった。

「私は最初に会ったときから走先生のことだ〜いすきだったよ♪」
「冴ぇぇっ!?」
「有言実行よ。言ったでしょ、私。」
「えぇ…?」
「''1年後、後悔させてやる''って」

ウインクする冴に走は遂にレジャーシートに突っ伏した。まるで''降参しました。''と言わんばかりに。走の体を海や月麿がポカポカと殴る。
そんな様子を横目に今まで口を閉ざしていた岳が呟いた。

「あーあ、つまんねぇの。」
「何が?」

弁当に夢中でほぼ話を聞いていなかった草太郎が岳を見る。

「こっちの話だぜ…」
「何だそりゃ」

さほど興味なかったのかまた弁当にがっつく草太郎。

「まじでつまんねぇ。面白くねぇ。」

岳が再度呟いた言葉は風に乗って消えた



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