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オキナグサ

第10章 安定と安心


足がひっかかったことで床に転ぶけど、そうやって前に乗り出せばなんとか廊下まで上半身ぐらいは出すことが出来た


「聖くん……!?」


朝陽さんが焦った声を出しながら俺の方に駆け寄って来て、部屋着として着ていた薄手の上着を俺にかけた


そうだった
俺、服着せて貰えないからまだ全裸なんだった


そんなことも失念してたけど
それでも

今はそんなことどうでもいい
とにかく今はあの人を


岩橋大地を、朝陽さんの視界から外したい


「なっ……!? なんで家にまでいるんだ!?」


目線の先で岩橋が驚いた顔をしている


俺がいないと思って外で待ち伏せするとかじゃなく、家までわざわざ来たのか

本当に俺がいなかったらって思うと、吐き気がする


「朝陽さんはお前のじゃないって前に言っただろ!!!」


まるで肉食獣が唸るみたいな
そんな気持ちで前を睨みつけながら吠える


「帰れ!! 何しに来たんだ。これ以上朝陽さんに手出すなら許さない!!」


俺が叫ぶように言うけど、鎖で繋がれて廊下の奥にいる俺じゃそんなに迫力もなくて


「は……はっ……」


強がっているようには見えるけど、鼻で笑われた
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