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マンコ干上がり病患者・夏美

第1章 宣告された難病

夏美は、聞き慣れない病名に、一瞬、寒気を覚えた。
そんな夏美の表情を察してか、保健の先生が小さな声で付け加えた。
「いわゆる、マンコ干上がり病ですよ」

それは、最近ネットで話題になっている、奇妙な病名だった。この病気になった女子の武勇伝が、ネットに数多く載せられていて、夏美も興味津々で読みふけっていた。
ネット情報によると、その病気の特色は、1日10人分以上の精子でマンコの穴の中を湿らさないと、意識不明に陥るというものだ。命にはかかわらないが、一生植物人間になってしまう。そこでこの病気になった女子は、男子たちとそれは苛烈なセックスやりまくりを強いられるのだ。湿らさないといけないので、コンドームはもちろん禁止。中出しが必須条件。
しかし、このネット記事を見て夏美は思っていた。
<男子がオナニーして出した精子を溜めておいて、マンコに注入すればセックスしなくて済む>

「いま、木村さん、貯蔵精子を思い浮かべましたね」
うなずく。
「でも、それダメなんですよ」
え?
「精子は、摂氏36度以上でないと死滅します。つまり、体温以上に熱く煮えたぎった精子でないといけないんです。しかも悪いことに、36度ギリギリではあまり効果がないんです。出来れば40度くらいの精子がいちばん効果があるんです。それは、男子が強い性欲で興奮しきった時の精子の温度です。激しいピストン運動のあげくに放った精子が、マンコ干上がり病の特効薬です」

保健の先生が、続ける。
「さらに、その特効薬を活性化させれば、1日5人分の精子でも、効果があります」
活性化…。
「活性化させるには、女子も体温を極限まで高める必要があります。オーガズムにある女子の膣が、ちょうどいい感じですね」
夏美は、言葉もない。
「男女とともに、激しく情熱的にセックスして、互いにイキ、そして放出された精子ですね」

ふと、ある考えが、夏美の頭にひらめいた。
<風邪をひいて熱を出してるなら、そんな激しいセックスをしなくても。マグロ状態で、好きな音楽でも聴きながら出させる>
「最後に、ひとこと。病気で熱を出している男子の精子は、避けてください。風邪の菌が、女子に悪影響を及ぼします」

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