甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第3章 似てる人
あの日の事は、夢だったのだろうか…?
酔っていたわけでもないし、あの日私は確かにあの海に行っていた。
私が持っているカメラには、確かにあの日撮った海が写っていたのだ。
夢ではない。
なら、あの人は一体?
それに私のあの後の記憶はなくて、気づいたら次の日の朝だったのは、何故なのだろうか…?
すごく不思議な体験をした。
この話を誰かにした所で、多分誰も信じてくれないだろう。
だって、自分だって信じられないんだもん。
あの日に出逢った彼が、現実なのか、幻なのか。
でも、確実に言える事は、私は完全に彼に心を奪われてしまったという事。
そう、私はあの日彼に一目惚れしてしまったのだ。