甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第5章 ヴァンパイア
「おい!詩音莉!大丈夫か?しっかりしろ!」
誰かに頬をピシピシと叩かれ、私は目が覚めた。
ハッ!ここは?
あの人は?
あの女の人は?
「ジョー?何でここに?それに、ここに女の人倒れてなかった?」
「は?お前何言ってんの?頭でも打ったのか?」
目を覚ますと、そこにはメンバーのジョーがいて、あの人や倒れた女の人の姿はなかった。
あんなに血が流れていたのに、地面も綺麗になっていて、何事もなかった状態に戻っている。
何で?
確かにさっきまで、ここで…。
どうして?
絶対幻なんかじゃなかったのに…。