甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第7章 初めての夜
首筋以外の場所へのこの痺れは、初めてだった。
でもでも、やっぱり気持ちがいいの…。
さっきまであった不安は、ほとんどなくなっていて、私は紫艶から与えられる快感に、陶酔していた。
「どうだ?気持ちいいか?」
「うん…っ。あっ…。」
ナメクジのように、私の肌の上を紫艶の長い舌が這い回る。
舐められたところから、少しずつ感覚が敏感になっていくような気がした。
「俺の唾液は媚薬みたいなものだ。舐められた所から、快感が増してくるだろ?」
「はぁっ…確かに…そうかも…。」
「だから、こうして舐めた後に牙を刺せば、痛さを感じない。それに、傷も舐めれば治るんだぞっ。」
そう言って、紫艶が鋭い爪で、私の胸を引っ掻き傷をつけた。
「あっ!……っ!!」
「ほら、よく見ていろ。」
体を起こされ、自分の胸を見ると、しっかりと引っ掻き傷がついていた。
その傷を紫艶がペロペロと舐めていく。