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俺の言葉に
茜は目を丸くし

そして

横になっていた身体を起こして
ベットに座ると
茜は泣いてるような
笑顔を浮かべながら
予想外の言葉を発した


「よかった」


え？

よかった？


「何がええねん」


俺も身体を起こして
茜を見つめると
茜は耳を真っ赤にして
目にいっぱいの涙を浮かべた


「じゃあ……

別れてくれるよね？」



「何言うてんねん！」



「苦しむ尚なんて…っ…見たくないから…」



「違うんや！
そんな意味で言うたんやない！」



俺が思わず
茜の肩を掴むと
茜の目から涙が零れ落ち

茜は両手で顔を覆ったまま
声を殺して
泣き始めてしまった



「苦しい時があるんは嘘やない。

かと言うて
苦しいから別れたいとか
そんなことは
一ミリも思うてないんや…」


茜に
俺の声は
聞こえてるやろうか


ちゃんと俺の話を
聞いてくれてるやろうか


そう気になりながらも
俺は話を続けた



「けどもう・・

思うてることの大半を
言葉にできんことが
耐えられへん


茜の気持ちもわからん

俺の気持ちも
伝わらへん

そんな状態で
茜と別れてしまうんは
絶対嫌やから言うたんや」


どう説明したらえぇねん…

俺の思うてること
どう話せば
分かってもらえるんや



少し
涙の落ち着いてきた
茜の手を
ゆっくりと下ろさせ

涙で濡れた頬を
指で拭うと

茜は
その泣き顔を隠すように
うつむき
柔らかな髪で顔を隠した


こない泣いてしもて


可愛そうに…