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桜花楼の恋

第8章 明かされた正体

横「自分の行動と言っている事が全く合っていないのはどっち」

北「なに、クッ」

横「今、誰か助けを呼びたい心境でいるでしょ?フッ」

北「んなこと」

横「誤魔化すんじゃない」

北「くっ」



横尾の言葉がズキンと心に突き刺さる。

そうだ、クッ



横「さっき口にしかけた名前…確か‥ふ…」

北「言うな!」



自分でも気づいていなかった気持ち、俺を見つめる瞳。



横「ふっ、モゾモゾ」

北「…ん‥やっ…」



包み込むような優しさ、いつの間にか惹かれてしまっていたことに。



横「さて到着したよ、あとは ニヤリ」



その腕の中で眠ると安らぎを感じるくらい、だから俺は…



横「ここへ手を触れれば、お前は堕ちる ニヤッ」



その瞬間、脳裏にあいつの笑顔が浮かんだ。



北「藤ヶ谷あぁーっ」



が、とたん横尾は俺の身体を離すと微笑みながら視線を向け。



横「俺の勝ちだ、フッ」

北「…っ、ハァハァハァ」



そう言い。



横「意地を張りやがってマジで抱かなきゃならないのかとハラハラしたよ」

北「おまっ」

横「でも、これで分かったでしょ?フッ」

北「なに…が‥」

横「お前の身体は太輔以外は受け付けないんだって事が、ニコッ」

北「‥‥っ」



流れる涙は、一体なんなのか。



北「くっ…ヒクッ‥うっ…」

横「会いたいんじゃない?今すぐに、フッ」



今なら、ハッキリと分かる。



横「もういいよニカ、よく我慢したね」



なっ、ニカ!



横「そこにいる連中を連れ今すぐこっちへ来な」



と、その言葉に丸障子の方へ視線を向けると泣きそうな顔で俺を見つめているニカの姿があり。

河合やトッツー達も…

ほぼ全員が自分の事を心配していた事をこのとき初めて知ったんだ。

その成り行きを見守りながら━




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