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桜花楼の恋

第13章 恋乱舞い

河「でも、こっちも可能だと判断したら言うつもりだったし別にそれは構わないんだけど」



だから、いったい何をしようとしているわけ?



河「宏光を太夫にする」

戸「えっ」



が、あまりにも唐突な言葉に俺は何も言えなくなってしまい。

無理だろ、大体この状況でどうやってするっていうの。

しかし、河合は。



河「段取りは組んだ」

戸「‥‥っ」



どんなふうに?



河「ここの旦那にもお願いし」

戸「何を?」

河「帳簿に記載されている、あいつを買いたい客の名前を全部消して貰ってよ」

戸「へっ?」



いつの間に、そんなことを。



河「もちろん俺だけの頼みじゃ聞いてはくれない」



じゃ誰が?



河「現れたんだ太輔に負けず劣らずの大物が」

戸「それって」

河「聞いて驚くな、ニッ」

戸「なっ!?」



マジで!



戸「凄いじゃん、それ」

河「だろ?ニコッ」

戸「けど、なんで協力してくれる気になったんだろ」

河「それがさ」



幼馴染み?



河「2つの国は、ほぼ隣り合わせのような場所に位置し」



その上、遙か昔からそこの城主は徳川だけではなく豊臣家など歴代の大将との縁が深く。

その関係で、幼い頃より藤ヶ谷とは剣を交え互いの腕を高め合う師弟のような関係だったらしい。



戸「へぇー驚いたなぁ」



河合のハチャめちゃな行動が、幸をそうした結果とも言える。




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