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桜花楼の恋

第13章 恋乱舞い

横「思えば思うほど心は逆に孤独に満ちて来る」

玉「わた、ヒック」



見ててくれてたんだ、俺のこと。



横「どんなに思ったって2人の間で自分は弟でしかない」

玉「ううっ、ヒクッ」

横「あげく郭で男同士がどうやって抱き合うか知り太輔とミツの姿に重ね合わせ堪らなくなった」

玉「うっ、わあぁーっ」

横「そんなとこか、フッ」



ギュッ!



横「俺で、お前の心に空いた穴が埋められるというのなら」

玉「ヒクッ…うぅ‥」



わたが、優しく抱きしめて言う。



横「望み通りにしてやる、それが家臣として犯してはならないことだったとしても」

玉「うっ」

横「裕太お前が笑っていられるのなら、ニコッ」



チュッ!



玉「んんっ」



そして、咥内の中に舌が入り込んで来て。



玉「…わっ‥わた…はふっんっ…ぁ‥ビクン」



深く長く、それは息つく暇もないほどに続き。



玉「…っ、ハァハァハァ」



唇を離されたとき、俺は何がなんだか分からずボーッとしてしまい。



横「ふっ」



これが、惚れた同士でする接吻なの。



横「で、どうするわけこのあと?ニコッ」



ドキッ!



玉「あ、うん」



なに?この気持ち、心臓が苦しい。



玉「わた」

横「んっ?」

玉「俺のことが好き?」

横「もちろん、ニコッ」

玉「一番に?」

横「難しい質問だな、フッ」

玉「うっ」



やっぱり、ガヤが一番なんだ。



横「太輔は俺の主君だが裕太は」



なに?



横「掛け替えのない大切な者、とでも言っておくか」

玉「‥‥っ」



が、その言葉を聞いたとたんギュッと抱きついてしまう。

見つけたよ宮田、俺も兄さまの言う通りすぐ傍にいた。

こんなにも、自分のことを想ってくれていた人が。

それは、ガヤしか見ていなかった俺が初めて知った想われる喜びだったんだと思う。

その優しさに包まれた事で━




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