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亀「自分が諦めてしまった事を太輔が成し遂げようとしている」



加賀の殿様は━



亀「泣いていたよ、その涙が一体なんなのか俺には分からなかったけどね」



嬉しかったのさ、きっと。



亀「よし、じゃ行こうか」

ニ「どこへ？」

亀「お前んち、ﾆｺｯ」

ニ「‥‥っ」



それから、亀梨くんは。



父「かっ、加賀の若君さま!?ははぁーっ」

亀「面を上げて下さい御子息を俺に預けては頂けませんか？」

父「しっ、しかし」

亀「子はいつか親から巣立つもの縛りつけているだけでは大きくなれない」

父「私は」

亀「離れている間の寂しさは戻って来たとき成長した姿を見ることで消えてなくなります、ﾆｺｯ」



やっぱ、かっちょぇー



亀「ご子息を必要としている者たちがいる、それだけでも凄いこと信じて認めてやって下さい､ﾆｺｯ」

父「…そう‥ですね…ﾌｯ」



やったぁーっ



亀「あと１つ」

父「なんでしょう？」

亀「今晩、泊めて頂けますか？ﾆｺｯ」

父「はっ？」



その夜━



亀「もっと傍に来い二階堂恥ずかしがらず、ｸｽｯ」



むっ、無理めっちゃ心臓がパクついてるもん。



亀「一緒に頑張ろうな」

ニ「‥‥っ」

亀「俺は加賀の城主となりお前は米屋を継いで離れていても心は１つ、そして」



必ず江戸へ来たら、会いに来るからと。



亀「おやすみ二階堂､ﾁｭｯ」



額にソッと触れた亀梨くんの唇の感触、腕の中に包まれた温もり。



ニ「…おやすみ‥なさい」

亀「ふっ」



俺は忘れない、この日の事を精一杯の愛情を示してくれたその優しさで。

心が満たされてく━

確かな想いが、しっかりとそこにはあったから。

肌を合わせ情交するだけ愛し合うことじゃないんだ、これも１つの愛なんだと

こうして、俺は穏やかな気持ちで眠りにつく事が出来る。

明日という日を迎える為に━