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桜花楼の恋

第4章 馴染んでく身体

・橋本side

カッコいい若様は僕の憧れ、あの嫌な奴を懲らしめてやったときの痛快な気持ち

ざまぁーみろってんだ。

でも、宏光はいつになったら太夫になれるのかな?



塚「今のままじゃ無理なんじゃない」

橋「どうして?」

五「藤ヶ谷が独り占めしているようなものだから」

塚「あれじゃ他の客がつかないし」

五「しかし、あいつが傍にいてくれている限りは」

塚「護って貰っているのと同じだから別に太夫にならなくても」

五「が、どこの若様なのか誰も知らないんだよな」

塚「ずっと、ここにいるってわけにもいかないんだろうしね」



じゃ、やっぱり太夫になった方がいいってこと?



河「あいつは、なりたいとは思ってない気がする」

戸「そうだね、それに上手くいけばあの2人」

河「だけど難しいんじゃね」

戸「んー確かに、そう素直にうんとは言わないと思う」

橋「なんで?」

河「元々、宏光は男色じゃないからだよ」

戸「男に惚れるのに抵抗を感じている」



僕には分からないや…

そんなある日のこと、独り店先で日向ぼっこしていると。



「ねぇ君、ここの店の子?藤ヶ谷太輔って侍がいるって聞いたんだけど」



うわっ、誰?すっごく可愛い。



橋「うん、若様なら宏光の部屋にいるよ ニコッ」



って、この人も若様みたい。



「ありがと、でも俺その宏光って人には会いたくないんだ、ここへ呼んで来てくれない」



んっ?キョトン



「お願い、ねっ?お駄賃として甘い御菓子をあげる、だから…ね」



うわあっ、美味しそう。



橋「分かった、じゃあここで待っててすぐ呼んで来てあげるから」



ダダダダッ!




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