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桜花楼の恋

第1章 始めの一歩

・戸塚side

えっ、今なんて?



戸「あっ、河合、んっ」

河「身請けしてやる、そう言ったんだ」

戸「はっ、あっ」



無理だって俺の借金いくらあるのか知っているの?



戸「きっ、気持ち、だけは、あぁーっ」

河「なに言ってるんだマジだってば」

戸「でっ、でも、んあっ、イッちゃう」

河「トッツー」



情事のあと…



河「すぐにってわけにはいかないけど」



本気?



河「それまで身体、大事にしろよ」

戸「うん」



ギュッとその身体へ抱きついた、ありがと その言葉だけで生きて行ける。



戸「嫌だ離せぇ」



俺がここへ来たのは。



女衒「諦めろお前は親父が博打で作った借金の肩に売られてしまったんだからよ」

戸「そん…な」



15歳のときだった。



旦那「よし、すぐに店だしするぞ」



そして、数日も経たない内に。



男「大金はたいて手に入れただけの価値はある」

戸「やっ…ぁ‥はっ…クッ」

男「この白い肌すべすべして堪らねぇや」

戸「うわあぁーっ」



相手は、スケベな中年親父。



戸「やだ、痛い、やあぁ」

男「うおぉ、キツい締まる絶妙だぜ」



死にたい、くっ、何度そう思ったかしれない。

こんなに惨めで苦痛な毎日もう耐えられないと。

でも、それとは逆に。



戸「はっあっ、あっ」

男「どうだ俺のイチモツは他の奴のと比べ」

戸「うっああ、いっ」



自分の気持ちに反し身体は行為に馴染んで行き。

快感を貪るようになってしまっている自分が、そこにはいてさ。

それに、また絶望し。

その繰り返しで半年が過ぎた頃。



河「トッツーお前こんな所にいたのか捜したんだぜ」

戸「かっ…河‥合」



ギュッ!



河「やつれちまって可哀想に辛かっただろ、クッ」

戸「うっ、わあぁーっ」



温かかった河合の腕の中。



戸「…だめ‥汚い…クッ」

河「そんなことはない凄く綺麗だ、ニコッ」

戸「ぁ…はっ‥俺…汚れ‥て‥しまったし…ハァハァハァ」

河「トッツーはトッツー、なんも変わってないよ」



重ね合わせた唇。



戸「んんっ」

河「俺の大好きなトッツーだって、ニコッ」

戸「‥‥っ」



その言葉に、どれたけ救われたかしれない。




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