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ダメビト図鑑

第3章 コレクション02 アベちゃん~最初のお客さん

『コンチワ。俺、運転手してるシュウっす!』
そう
元気よく
まだ20歳くらいの男の子が
事務所の玄関で
イオリを待っていた。


『あっ…はい。私…サオリって言います。よろしくお願いします。』
イオリはそう源氏名で名乗って挨拶をした。

シュウが運転する
クルマが動き出した。

『中区のホテル【ヤンチャなポチ】なら、ここから5分くらいですからね…。 あの…サオリさんもやっぱり本物の人妻さんですか?』

……………… 

『………えっ?』
イオリは自分からサオリと名乗っておきながら
サオリと呼び掛けられても
すぐに反応できずにいた

『あっ… …ヤダ…ウフッ… …源氏名って慣れないと厄介ですね…。はい。私は本物の人妻ですよ。』

クルマのなかでの
シュウとの会話が
イオリの緊張を少し和らげた。

そうしている間に
ホテル【ヤンチャなポチ】の
駐車場にクルマが入っていった。

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