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ダメビト図鑑

第7章 何事もほどほどが…。

イオリの夫
岳人はこり性である
ある意味
マニア…の域に達していると
イオリは思っている。

岳人は大のギター好き
いや
ギターマニアなのだ

その日

『ママ!章剛!ちょっとおいでよ!これ買っちゃった』
と誇らしげに
岳人は
ギターをみせて演奏を始める

『ねえ… 、それいくらしたの?』
と尋ねるイオリに
岳人は
『ママはそうやってすぐに値段ばかり気にする。悪い癖だよ! ……う~ん…25万かな』
と悪びれずに答えたのだった。



2、2、2、2、25万!!

人間は予想を上回る衝撃をを受けたとき
一瞬
自己防衛本能が働くのか
心の平穏を作ろうとするのか…
イオリは
微笑んだ…
そして

『あんたね!いったいわが家はいくらの収入があるんですかぁ?! ……大したお金持ちさんですねパパは!…おい!聞いてるのかぁ?2マンも5000円でも、私はびびるよ! …これから章剛にいくらお金かかると思ってる? …全然分かってないじゃん!パパなんだよ!』
とまくし立て
つい
『(あんたなんかより、まだアベちゃんやジュン君のほうがマシしかもしれない!)』
と危うく
声に出してしまいそうになった。


『…だってさ、このギター、ホセ・メルチョールってスペインの職人のハンドメイドなんだぜ… …そんな言い方しなくても… はぁ…女って結婚して奥さんになったら文句しか言わないのかなぁ…。』

と岳人は膨れっ面になり
『はいはい。分かりましたぁーーー……!来月から小遣いいりませぇ~ん。チェッ』
とまるでてな気もしない約束を
開き直って口にした。

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