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三角関係ときどき四角

第3章 それぞれの思惑

「ママが帰ってきちゃうよぉ」

「心配なら、やめようか」


僕の思惑通り舞彩の婚約者になった
陵介くんが帰った途端
リビングのソファーに腰掛ける
僕の膝の上に舞彩を乗せた。


「……ぃじわるぅ」

「大丈夫だよ。服は着たままだから」


物音を感じ取ったら
なに食わぬ顔をして
親子として振る舞えばいい。


父親と娘が二人きりで
リビングでくつろぐことは
不思議ではない。


……普通の親子であれば。

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