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好きな人が1人から2人に!

第1章 ~プロローグ~

ズボンも履き終わり、僕に上着を着せるローク。
 
「奥様から受けた御恩は、日々の仕事と坊ちゃまのお世話で返していくのが俺の務めです」

「……。」

また、お母さんから受けた御恩か…。

僕の世話も、僕のためってより…。

お母さんのためへの、一心でやってるんだろうな…。

「ロークは、良くやってるよ
ずっと、そばで見てきてるからわかるよ」

ロークは、本当に良くやってくれている。

それぐらい、見てればわかる。

「泉坊ちゃま、勿体無きお言葉です」

嬉しそうに、僕にお礼を言うローク。

僕が、机の上に置いてるネクタイを取ると、ロークは僕とネクタイを見ながら口を開く。

「ネクタイは、お付けしましょうか?」

「ネクタイは、食べたあと自分でするよ
そのために昨日、寝るまで練習したんだから」

「かしこまりました」

僕とロークは、部屋を出て1階の食堂へ向かった。

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