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21年愛~これからもずっと

第3章 にの目線 2



……好きな人?


相葉さんから、今までそんな事聞かれた事
なんて一度もない。


何で?


心臓が急に早鐘を打つように
ドキンドキンと鳴り出す。

それに、真っ直ぐに見てくる相葉さんの
視線が突き刺さる。


ニ「……相葉さんは?」


質問に質問で返す始末。

しかも、長年ずっと聞きたくて
でも、絶対聞けなかった内容。

言ってしまって、冷たい汗がジワリと
滲んできたのを感じた。


相「……俺?」

相葉さんは低い声で聞き返してきた。

ニ「うん……いるの?」

相「……俺は、」

ニ「い、いるよな!ハハッそりゃ相葉さん
 そんだけモテるしさ!聞かなくても分かるわ!」


捲し立てた。


だって、やっぱり聞きたくない。
相葉さんから、
本人の口から
本当の事なんか。

聞けば、絶対後悔するんだよ。

相葉さんは、急にうるさい俺の顔をジッと見る。

綺麗なその真っ黒い目に捕らわれる。

相「ニノ……俺ね」

ニ「相葉さん!!」

相葉さんが次の言葉を言おうとするのを
全力で止めた。

相葉さんが、黙る。

……だから。
そんな目で見ないで。

柄にもなくさ。

ちょっとヤバい……
泣きそうだ。

30半ばのおっさんよ?
なんだ。
この感情は……

相葉さんをこんなに近くで感じてるから?

いっつも、仕事場で会ってるのに?

二人きりのこんな空気のせい?

息が詰まりそうだわ。
相葉さんなのに……


いや。


相葉さんだから、
こんな気持ちになってんのか。

……続き。

もう話さないで。


どっちにしろ。


あんたが何を言おうと。


俺。


涙腺がヤバそうだわ……





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