テキストサイズ

21年愛~これからもずっと

第3章 にの目線 2



相「ニノ……こっち来てよ」


相葉さんが、静かな優しい声で俺を呼ぶ。


いつもの外で見せる相葉さんじゃない、
素の相葉さんの声のトーンに俺は
平静を装うのに必死になっている。
アカデミー主演男優賞なんて取っても
この人の前では、何にも役に立たない……

なんて。
今考えなくてもいい、どうでもいい事
が頭を過る……

じゃなきゃ、俺。

この空気に耐えれる自信が

ない。


隣に座ってる相葉さんの腕がスーッと
俺の方に伸びてきて。

また、腕を掴まれた。

今度はそっと、優しく。

それから、相葉さんが俺の間近にぴったりと
身体を寄せてきた。


……近いわ。


何で今更、そんな距離縮めてくんのよ?


顔と耳がどうしようもなく
カッカと熱くなるのが分かるし……

俺ら、あの日からプライベートで
こんな距離でくっつく事なかったじゃない。

止めよ。

ってさ。

身体を重ねてた日々を止めた時から。


むしろ、近い距離にいる事
あなたも避けてたよね?

違うの?

……………………。


この状況は何なのよ?


相葉さん……


相葉さん……


こんなの。


反則だわ……







ストーリーメニュー

TOPTOPへ