
僕ら× 1st.
第5章 伊織の婚約者 --Shu
***
文化祭、俺らのクラスはミニチュアハウス。
アルと俺は、小さな家電を10点以上作った。
というか、手先だけは天才的に器用なアルがほとんど作った。
展示すれば仕事は終了なので、まず1年のブースを見に行く。
花野ちゃんのクラスは、各生徒がクリスマスにちなんだ目印をつけて校内に散らばり、見つけた人に引換券を渡すという出し物だった。
これは喋れる絶好の好機会と、校内をくまなく探しまわるアルだったが、失礼ながらあのどんくさそうな花野ちゃんはまったく見あたらずにいた。
「いねぇ…」と、花野ちゃんの教室前廊下に戻って肩をおとすアルに、近づいてきた女のコ…マコちゃん…。
「アル先パイ。花野は高等部に行ってます」
と、教えてくれる。
「え?3年のお兄さんとこ?」
「そうだと思います」
「あ、ありがとう!」
うっ、満面の笑み発動。
赤面したマコちゃんに手を振って、アルは走りだす。
俺はマコちゃんにもう一度、礼を言ってあの男を追いかけた。
お前、今度は大丈夫なんだよな?
文化祭、俺らのクラスはミニチュアハウス。
アルと俺は、小さな家電を10点以上作った。
というか、手先だけは天才的に器用なアルがほとんど作った。
展示すれば仕事は終了なので、まず1年のブースを見に行く。
花野ちゃんのクラスは、各生徒がクリスマスにちなんだ目印をつけて校内に散らばり、見つけた人に引換券を渡すという出し物だった。
これは喋れる絶好の好機会と、校内をくまなく探しまわるアルだったが、失礼ながらあのどんくさそうな花野ちゃんはまったく見あたらずにいた。
「いねぇ…」と、花野ちゃんの教室前廊下に戻って肩をおとすアルに、近づいてきた女のコ…マコちゃん…。
「アル先パイ。花野は高等部に行ってます」
と、教えてくれる。
「え?3年のお兄さんとこ?」
「そうだと思います」
「あ、ありがとう!」
うっ、満面の笑み発動。
赤面したマコちゃんに手を振って、アルは走りだす。
俺はマコちゃんにもう一度、礼を言ってあの男を追いかけた。
お前、今度は大丈夫なんだよな?
