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僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

1年間の留学から帰って来たリルと、久しぶりの図書館。
背が12cmも伸びて、声も低く太くなっちゃって…やっぱり男のコなんだなぁ。
自転車の背中も、前よりずっと広くなった気がした。

少し違う人みたいで、だけど笑顔は以前のリルと同じで安心した。

ふいに顔を赤くしたリルが言った。

「小津は元気?あいつに渡さなきゃいけないものがあるんだ」

そっか、リルはマコのことを好きなんだね。
耳まで赤くなっちゃって…。

図書館から帰って、借りてきた本を机の隅に置き、お土産の紙袋を開ける。
スノードームは、本当に可愛くて。
私のために選んでくれたんだって思うと、とっても嬉しかった。

オルゴールに入っていた音楽は"If we hold on together"。

一緒に夢を叶えようね。
幸せの雲を見つけようね。

リルがそう言ってくれているみたいで……それから私は、この曲をピアノで弾きがたりするようになった。
学校では恥ずかしいから、お家でこっそりと。

ありがとう。
大好きだよ……。

リルフィの恋愛、応援したいな。

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