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僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

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今日はマコのおうちで夏休み宿題の仕上げ。
っても文系マコに私は理系で、宿題の内容自体が違うけど。

部屋に入って腰をおろすと、すぐにマコはアルバムをめくって私に見せてくれる。

「これ見て?カッコいいでしょう?」

道着姿で組みあっているふたり。

そして、つぎのページにはクルマの下に寝転んで作業中のような……顔に黒いオイルのような物がベッタリついた男の人……。

「あ、吉坂先パイじゃない。え?プライベート?マコったら、いつの間に」

ほかのページには、グラスを持って座っている先パイであったり、ヤキトリにかぶりついていたり。
寝顔まである……。

「違うわよ。こないだ帰国した速水に貰ったのよ」

あ、リルから貰っていたのってこれだったの?

「そうなんだ。リルは優しいね」

マコったら、吉坂先パイじゃなくてリルが好きって素直に認めればうまくいくだろうに。

「それも違う!物々交換よ」

「交換?誕生日プレゼントなんじゃない?」

マコの誕生日はこないだだもん。

「んなわけないでしょ!ヤツの好きなコの写真と交換よ」

リルの好きなコの写真?
あれあれあれ?
マコじゃなかったってこと?

「マコ、リルの好きなコ知ってるんだ…」

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