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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

「ぷっくっく……だあっはははっ!」

大笑いしだした僕に、顧問は「笑い事じゃない」と吐く。

「だって、"心なしか"って!あっははっ」

僕のが粗末だと言いたいのと、校内で興奮してやがるって言いたいのと両方だな。

それに、警告までの文章の持っていきかたが強引すぎて!

「そこかよ?お前、これ真実なのか?」

「なわけないだろ?僕は紳士だよ?証人はサッカー部の依田」

それに、先生も新聞部顧問なら、ヤツらの習性見抜いてるだろ?

「依田?同学年のか?…ここに呼んでもいいか?」

「いいけど」

「ここで待ってろ」

顧問が出て行ってしばらくすると、校内放送が流れた。

本当に呼んだな……あの先生、僕のこと信用してないのか。
ま、証拠があるからなぁ。
僕、依田と喋ったことないんだよな…。

と、思っていると、顧問が帰ってきた。

「そのうち来るさ。……でもお前、写真撮られてるんだぜ?」

「知ってたよ?だからわざとキスしてるように見せかけた」

「何でまた?」

「僕だけのものにするため。ライバルは少ないに越したことはない」

「……ああ、全校に見せつけるためか」

「だけど、この文章はいただけないな。これじゃ、花野が傷つく」

この記事は何としても書きかえなければ。
僕だって……これ、倫理綱領引っかかるだろ?

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