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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

「そうだ。俺、2人に…はい、割れ物注意」

持っていた手提げ袋から取りだした包みを、それぞれ2人に渡す。

「へぇ、浮かれたヤツらは違うな…」

恋人がいないのは自分だけと思いこんでいるアル兄は、香水の箱をしげしげと眺める。

"浮かれたヤツら"ってことは、やはりあの下着は柊兄からのプレゼントだな…。
柊兄も、あの花野ロボの存在を知ってるんだ。

「ははっ、香水?彼女ちゃんにもあげたんだ?」

爽やか変人のアル兄には、シダーウッドにマンダリンの入ったリラックス系を。

柊兄は何本か持ってるだろうけど、グレープフルーツにジュニパーが青く香るリフレッシュ系を。

「あげたよ」

「喜んでた?」

「うん。"いい匂い"って、早速つけてくれた」

自分の手首にちょんっとつけて、香りを何度も確認していた彼女を思いだす。

彼女には、ピーチやミントの入ったフルーティ系。
清潔感のあるスパイシーな甘さが彼女にぴったり…というか、僕好みだったから。

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