テキストサイズ

僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

***

正月気分が抜けた頃、アルと俺は親父から16人の人間とその家族を探すよう指示をくらう。

「出身と名前と年齢で全部探せるかな?」

リストを見ながらため息を吐く。
16人とその家族って、計何人だよ?

「そいつらをどうするつもりだと思う?女ばっかだよな?お前の女いる?」

「いねぇよ。ま、知った名がなくてよかったさ」

「そか。じゃあ、逃げられた愛人?または新しいハウスキーパー候補かな?」

「かもな。詮索しないこった」

次の日から早速調査に乗りだす。
早めに学校から帰宅した俺たちは、私服に着替えて仕事部屋で落ちあう。
ラボからボストンバッグを持ってきたアルは、なかに入っているさまざまな道具について説明しだした。

「アル。お前の装置、すげぇ便利な」

発信器や盗聴器を改良したチップは前から知っていたが、相手のカバンに近づくだけでカード情報などを読みとれる機械なんて。

こいつ、花野ロボにピアノ弾かせてただけじゃなかったんだな。
名前、何だっけ……侑花か。
短絡的すぎて、忘れても思いだせるな。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ