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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「小津。彼氏いるんなら、もう写真とか要らないんだよな?おめでと」

HRで決めることがなくなったので、雑談に入る。

僕の留学中に失恋したか…。
だから、まちセンターで事務員に寄ってたんだな。
そして、他の彼氏を作った。

「今、先パイの眼中になくても、いけると思う?」

「うーーん」

アル兄の好みが僕と似てるんだったら、確率は0%。
てか、こいつが僕の姉になるなんてまっぴらごめんだ。
一生コケにされるじゃないか。
ここは、諦めとけ。

「腹のたつ男ね。そこは、"小津は可愛いからいけるよ"と言うべきでしょ?」

「小津は可愛いからいけるよ」

と棒読みすると、横で依田がクスッと笑った。

「あんたなんて、幼馴染みだっただけなのに」

指示通りに"可愛い"と言ってやったのに、矛先が僕に向いた。

「俺が幼馴染みの特権振りかざしてるって言いたいんだ?」

「そうよ。棚ぼた野郎ね」

「小津、酷いぞ!速水に謝れ」

「大丈夫。それが俺の持って生まれた運なら、結果は俺の実力だ」

外野が何を言おうとね。

「私も親友特権フル活用させてもらうけど?ショコラとお風呂に入っちゃおうかなぁ。オソロの服も持っていくけど絶対に、間違えて抱きついて来ないでよね?指先でも触れたら痴漢で訴えてやるから!」

「そんなことしないよ」

「あんたは存在自体が変質者ギリギリなんだから!」

さっきはかばってくれた依田にまで「お前、小津に何したんだ?」と尋ねられた。

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