
僕ら× 1st.
第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt
「やだやだやだっ!絶対イヤ!伊織君とだなんて、もう考えただけでおかしくなっちゃう!壁突き破るっ」
と、真っ赤な顔を手で隠して壁にくっつく。
と、近づく影。
「何がそんなにイヤなの?」
低い声に振り向くと、怪訝な顔の伊織がそこに立っていた。
「……っ、い、伊織君っ」
「僕、そんなに嫌がられてたの?壁突き破る程?」
怒っているような泣きそうな顔で、伊織は宮石に迫る。
「違う違う、伊織。その逆だよな?あのさ、」
「やだっ、内緒にして?」
半泣きの宮石に頼まれて、言葉を飲み込む。
そして、説得に移る。
「……俺は言った方がいいと思う。悪い感じに勘違いされるよ?」
「でも…でもっ、ダメなの!」
どうしてこんなに宮石は、かたくななんだろう。
その時の俺は、2人の関係を知る由もなく。
「言いたくないならいーよ。はい、チケット。小津の分は滝沢が持ってくるから」
俺と宮石にチケットを配る。
宮石はうつむきがちに「ありがとぉ」と言って、伊織から受け取った。
まだ、両耳が赤い。
「俺、ちょっとトイレ。先に行ってて」
俺は急いで物影に駆け込み、誤解した伊織にことの成り行きを知らせるためにラインを打ち込んだ。
照れまくる宮石が可愛いすぎて、このまま何もしないうちに別れちゃえばいいなんて気持ちも、少しはあったけど。
『宮石はね、伊織を好きすぎるからキスなんかできないってごねてるんだよ。ドキドキが暴走して大変なことになるらしいよ』
と、真っ赤な顔を手で隠して壁にくっつく。
と、近づく影。
「何がそんなにイヤなの?」
低い声に振り向くと、怪訝な顔の伊織がそこに立っていた。
「……っ、い、伊織君っ」
「僕、そんなに嫌がられてたの?壁突き破る程?」
怒っているような泣きそうな顔で、伊織は宮石に迫る。
「違う違う、伊織。その逆だよな?あのさ、」
「やだっ、内緒にして?」
半泣きの宮石に頼まれて、言葉を飲み込む。
そして、説得に移る。
「……俺は言った方がいいと思う。悪い感じに勘違いされるよ?」
「でも…でもっ、ダメなの!」
どうしてこんなに宮石は、かたくななんだろう。
その時の俺は、2人の関係を知る由もなく。
「言いたくないならいーよ。はい、チケット。小津の分は滝沢が持ってくるから」
俺と宮石にチケットを配る。
宮石はうつむきがちに「ありがとぉ」と言って、伊織から受け取った。
まだ、両耳が赤い。
「俺、ちょっとトイレ。先に行ってて」
俺は急いで物影に駆け込み、誤解した伊織にことの成り行きを知らせるためにラインを打ち込んだ。
照れまくる宮石が可愛いすぎて、このまま何もしないうちに別れちゃえばいいなんて気持ちも、少しはあったけど。
『宮石はね、伊織を好きすぎるからキスなんかできないってごねてるんだよ。ドキドキが暴走して大変なことになるらしいよ』
