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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

「あんた、今日中に速水にキスしたげなさい」

つきあってもうすぐ1年、未だキスもなし?
で、初めてのキスをどこかの幼児に持ってかれた?

そりゃ、伊織だってキレるよ。

「ど、どしてよ?」

「だって、目の前で見せつけられてさ。私でも同情するわ」

「あれは不可抗力と言うか……」

確かにそうだけど、ここは譲歩した方がいいと思う。

「花野は速水とキスしたいとか思わないの?つきあうってのはそういうことよ?」

「そんなのっ!…ドキドキが暴走しちゃうじゃない!私っ、立てなくなっちゃうし、前後不覚で叫んじゃうかも」

叫んじゃう?
そりゃ伊織もびっくりだろうな…。

「大丈夫だって。一回試してみ?軽くチュッて。今よりもっと仲良くなれるから」

「無理ですっ…そんな深いおつきあいはしてないからっ!」

伊織のヤツ、音楽室で宮石と2人きりでも、本当に真面目に音楽してたのか…。

「あんたが拒否るからでしょ?速水に顔向けて目をつぶってればいいのよ。あとは速水が押し倒してくれるわ。ほら、やってみ?」

そんな、押し倒すとか言ったら余計……。

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