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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

「速水に"可愛い"って言ってもらいたいから買ったんでしょ?」

「えっ、えと……」

もじもじと真っ赤になる花野。
それだけでも充分僕は彼女を感じて幸せに浸る。

「あんたは構えるから余計恥ずかしくなるのよ」

「私、なんかポヨポヨで…」

「ぷっ…大丈夫よ。お腹、出てない出てない」

と、食事の終わった小津は花野の背後から抱きつきお腹当たりを触りだす。

「きゃあっ、マコっ!くすぐったいっ!」

「んー、確かにポヨポヨ?」

「やったわね?」

と、花野が向きを変えて小津の腹をくすぐる。

「きゃー、たんま!花野っ」

2人のじゃれあいを微笑ましく滝沢は見ながら声をかけてくる。

「宮石って内からも外からも男をそそるよな。お前、ホントいいいなぁ」

「小津もそうなんだろ?」

僕は小津に全く女を感じないけど。

「交換してみない?」

「絶対にイヤ」

「冗談だよ。この後、ホテル入ろうぜ?2時間で足りる?」

「んー、やめとく」

僕のカタい決意を揺るがすな。

「疼かない?」

「聞こえたわよ?康史の大根はどっちに欲情中?」

滝沢が「お前に決まってるだろ」とご機嫌をとる中、僕の横で「大根って浮かぶのかなぁ」と花野が呟いた。

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