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僕ら× 1st.

第12章 夏鍋パ --Hzm

「花野…何だか、お酒のにおいがする…?」

と、妹の鼻や口に自分の鼻を近づける。
そのまま口まわりをクンクンと何度も確認する。
ほぼキスっぽいんだけど。

は?酒?…何で?
それよりも…。

「お前の唇、触れてない?」

妹の数センチ手前でわずかに動く、ヤツの唇が引っこむ。

「しないよ。でも、ハニィの唇って美味しそうだよね」

こいつは制しておかないと油断ならないな。
また"好きだからしかたない"とか言いそうだし。

いや、彼氏なんだからいいんだけどさ。

初めてはお互い大切だろ?
って俺が言えた義理じゃないな…。

「ねぇ、フラウリィ。僕とお兄ちゃんとどっちが好きなの?

僕と結婚してくれるんだよね?

誰よりも僕を好きだよね?僕を一番大好きだよね?マ シェリー?」

……しつこい。

うっすら目を開けた妹が、リィを見て「一番大好き」と微笑んだようで、ヤツはやっと納得したようだった。

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