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僕ら× 1st.

第14章 P波 --Khs,Ior

「お前らさぁ、俺が教師だって知らないでそんな話するのか?アバンチュールだの彼女とお泊まりだの」

むっとしている根岸だが、誰も取り合わない。

「え?花ちゃんのお兄さん、怖いの?あんなセクシーで優しそうなのに」

だよなぁ。
2人が同じ部屋に入っていっても、見ないふりするのでは?

「先生は知ってるもんな?」

伊織は根岸に説明を促した。

「知ってるよ。高1のヤツとやり合った不良グループが16人、病院に送られた」

え?いくら何でもそれは盛りすぎでは?

「美男子の上、強いのか。私、本気になりそう。いい?ヨーダ」

なってくれ。
そして、俺に構うな。

「どーぞ。16人て…一度にですか?」

「そう。格闘技大会で1年生で優勝した彼に、20人程でかかって。結果、16人骨折して残りは逃走」

1対20?レジェンドだ…。

「俺、それは知らなかったよ。帆澄兄、やっぱ怖っ…」

「ほぼ無傷なくせに"やらなきゃ殺されそうだった"とか言ったらしいよ?」

「俺は高校教師やってるヤツから聞いただけだけどね」と付け足す。

「でも、正当防衛ですよね?」

人数差だけでなく、仕掛けたのも向こうなら正義が成り立つだろと、俺は考えた。

「停学処分。だけど、更に上の兄貴がやってきて、お咎めなしになったはず」

「宮石の兄貴ら、敵にするとヤバイ」と根岸が呟いたが、そんなの誰だって当然だ。
兄貴たちに否はないじゃないか。

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