無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

お昼ごはんは、クラスを2グループに分けた6人で机をつきあわせて食べることになっている。

入学してから初めてのお弁当は、早起きしてお兄ちゃんと作った。
といっても、私がだし巻きを焼いて、お兄ちゃんが小粒のおにぎりを入れてくれて、あとは昨日の晩ごはんの残り物だけど。

蓋を開けるとニコニコマークの星形チーズが入っていて、お兄ちゃんの可愛い仕掛けに喜んでいると、私の向かいで食べていた由奈ちゃんに話しかけられた。

「花ちゃん、部活決めた？」

「まだ決めてないの。今日、見学に行こうと思ってる。天文とか、ちょっと興味あって」

「そか。決まらなかったら、サッカー部においでよ。先パイも優しくて、楽しいよ！」

「サッカー部？由奈ちゃん、サッカーするんだ！カッコいい」

「…へぇ、宮石って星が好きなの？」

由奈ちゃんと部活話をしていると、その隣に座っている男のコが入ってきた。

「あ、こいつもサッカー部だよ」

由奈ちゃんが、話しかけてきたコを指す。

「そうなの。運動できるんだね。いいな…でも、私は文化部で探すよ」

サッカーなんてとんでもない。
球技なら、卓球がまだなんとか…温泉宿で手加減してくれてるお兄ちゃんと楽しむレベルで……。