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僕ら× 1st.

第16章 Lost --Khs,Ior,Kn

意識しないわけにはいかないホリデー・シーズン。
ラジオから流れるのは明るい3拍子。

去年のクリスマスプレゼントは香水だったな。
デートの時には軽くつけてくれてて、でもほとんどわからなくて。

キミの手首や耳たぶにぴったりと鼻をつけて香りを味わうのが楽しかった。
そう見せかけて、唇をつけるだけの軽いキスをしていたのはバレてたかな?

照れてくすぐったがるキミの反応が嬉しかった。
キミへというより、僕のためのプレゼント。

今年で最後のクリスマス。

キミに贈るのは小さな小さなコイン。
キミのネックレスのアジャスター先に取り付けた。

いつも持ち歩いてね。
キミを守る。

もう一式はお揃いの万年筆にステンレスのマグ。
一緒に選んでお互いに交換しあう。

離れていてもキミと同じものを使っていると、キミと繋がっていると僕に思わせて?

悲しい別れのそのあとも、僕の選んだ物たちを…どうか捨てないで。

別の男とつきあったとしても、キミの傍に置いていて。

僕を覚えていて……。

Forget me not. シル トゥ プレ!(お願い!)

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