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僕ら× 1st.

第17章 水の中 --Khs,Ar,Thk

「まさかと思って伊織の元カノを監視してみたけど」

「監視?」

花野ちゃんにまで何かしたのか?

「そう。今カノは死んだし。伊織が生きているなら、あの可愛いお嬢ちゃんと連絡をとるかと思って。お前も怪しんで周辺を調べてんだろ?」

俺が?
俺が彼女と接触していることも知られているのか…。
動機は誤解されているけど。

「元カノちゃん、可哀想なくらいふさいでるらしいな。妙な動きもないし。小柴も調べてくれたけど、収穫なしで」

小柴から花野ちゃんに…?

「あのコの調査は俺に任せて」

これ以上、花野ちゃんに妙な連中がまとわりつくのは避けたい。

「そうだな。お前の方が適してるか。彼女を手なずけられそう?何ならお前の愛人にしちゃってもいいぞ?家柄もいいし」

「愛人って…」

「女に興味ないって言っても、お前は俺の後継者だからな……この女のココ見ても、やっぱ何も感じねぇのか?……ヤバイよな、お前」

ああ、俺のあの発言、信じてるの…。
親父との絡みを見て勃つかよ。

「ま、伊織の元カノはお前に預ける。もし伊織の影が見えたら報告しろ」

「わかった」

もし伊織本人と出会ったとしても、金輪際親父には知らせねぇ。

「あーあ。あいつ、マジでいなくなったんだな……ホント残念」

優秀だったから伊織はこの家に迎えられたのか?
そうじゃなかったら、どうなってたんだ?

と、親父の下腹部あたりから音が聞こえる。

「…俺も残念だよ」

こんな親父で……。

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