
僕ら× 1st.
第22章 遭難 --Shu,Ar
~吉坂侑生side~
2人きりの病室で、しばらく沈黙が流れる。
目の前に彼女が存在していることが、どうしようもなく嬉しくて、何を話せばいいのかわからなくなる。
この空間を噛みしめたくなる。
「先パイ、座ってくださいね?」
突っ立っている俺に気遣う彼女。
足が痛むだろうに。
救助されるまで大変だったろうに。
「その前に、抱き締めてもいい?」
「えっ?」
言ってしまってから自分でも驚く。
「ウソ。熱上がるもんな?やらしい意味じゃなくて、花野ちゃんが生きてるって実感したくって。俺、ホントに怖かったんだ。花野ちゃんに会えなくなったらどうしようって、怖かったよ」
キミに会えないなら、会える場所へ飛んでいく。
花火の夜にキミが言ったこと、俺も同じように考えた。
キミに会うために……。
そうならなくって、本当によかった。
「私も、また先パイに会えてよかったです」
「うん」
精神的にも肉体的にも疲れてる彼女に、これ以上気を遣わせてなるものか。
椅子に腰を降ろし、当たり障りのない話題を考えていると、彼女から質問された。
2人きりの病室で、しばらく沈黙が流れる。
目の前に彼女が存在していることが、どうしようもなく嬉しくて、何を話せばいいのかわからなくなる。
この空間を噛みしめたくなる。
「先パイ、座ってくださいね?」
突っ立っている俺に気遣う彼女。
足が痛むだろうに。
救助されるまで大変だったろうに。
「その前に、抱き締めてもいい?」
「えっ?」
言ってしまってから自分でも驚く。
「ウソ。熱上がるもんな?やらしい意味じゃなくて、花野ちゃんが生きてるって実感したくって。俺、ホントに怖かったんだ。花野ちゃんに会えなくなったらどうしようって、怖かったよ」
キミに会えないなら、会える場所へ飛んでいく。
花火の夜にキミが言ったこと、俺も同じように考えた。
キミに会うために……。
そうならなくって、本当によかった。
「私も、また先パイに会えてよかったです」
「うん」
精神的にも肉体的にも疲れてる彼女に、これ以上気を遣わせてなるものか。
椅子に腰を降ろし、当たり障りのない話題を考えていると、彼女から質問された。
