無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

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細かい打ち合わせを通り過ぎて、当日。

フィッティングルームから出てきた彼女に、男は注目する。

「俺の花野ちゃんったら！」

水色と白の衣装、軽くカールしたブルネットに細いリボンをかけた彼女は微笑む。
そのコケティッシュさに衣装係の女子も「私の腕前どう？」とご満悦だ。

ツンツンと毛先を跳ね散らかしたアルに大きな帽子が渡される。

「はい、アル。並べ？」

初見えアリスにゆるみ笑顔の変態帽子屋をカメラにおさめ、俺は大輔と周囲の警戒を強める。

ハッターがスタッフに呼ばれると、ウサギとネズミに扮した晄志と居松がアリスと記念撮影を始める。
2匹とも全然可愛くねぇとこがウケる。

頭には動物のフサッとしたキュート耳がついているのに下に視線をおろすと、露出した下腿に割れた腓腹筋。
すっげぇ違和感。
せめてすね毛、剃れよ……。