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僕ら× 1st.

第25章 in WL --Shu,R

お茶会の準備を手にして現れたハッターが、ウサギを尻目にしながら残されたニンジン瓶にテーブルクロスをかぶせて……。

と、ハッターの顔が布の向こうに隠れる。

慌てて走ってきたネズミがハッターを蹴り、布が手から離れると、実物大に戻ったニンジンドレスのアリスが出現した。

ネズミを睨みつけながら、ハッターはアリスの手をとり、抱き起こして椅子にかけさせた。

次にハッターは、ウサギの鳴りっぱなしの時計を引きちぎって放り投げる。
床に跳ねると、時計は写し鏡のようにどんどん増えていく。
跳ねるごとにアラームは倍増。

リリリリリ × いっぱい。

たまりかねたハッターが昼間の空に浮かんだいくつもの星に手をかざすと、それはコウモリに変身し。
その動き出した黒く光る生き物は、時計を食べまくって姿を消した。

アラームが止んだ舞台。
落ち着くかと思いきやハッターが、眠りながらもお茶の用意をテーブルに広げていたネズミの襟首をつかみ、そのままティーポットへぎゅうぎゅうと押し込み始めた。
ゆがみながらネズミはポットの中へ。

ああ、もう仕掛けがわかんねぇすぎる。

時計から解放され落ち着きを取り戻したウサギは、何食わぬ顔でネズミが入ったポットを傾ける。
すると白い煙がもうもうと湧きだし、カップから溢れ、テーブルから落ち、辺り一面を覆いだす。

奇妙なお茶会はいつの間にか始まっていた。

ドライアイスステージ中央にあったテーブルエリアは、3人を連れて奥に移動し、劇団サークルらによるトランプミュージカルに意識を奪われる。

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