
僕ら× 1st.
第25章 in WL --Shu,R
いつの間にか復活したネズミが加わり、ミュージカルを鑑賞しながらお茶会を続ける4人。
真ん中のアリスの腕をつつく、思春期ハッター。
その横の席で、お互いの口にスプレーを振って遊んでいる堅物ウサギと、ちょございネズミ。
2人は、こそこそと耳打ちをして頷きあった。
ウサギからケーキを渡されたアリスが、ハッターに「あーん」と、食べさせようとする。
ハッターがパカッと開くと、その口内にシューっとネズミが吹き入れた。
口元に手を当てて驚くアリスに、口を閉じて難しい顔のハッター。
男3人、口に何を入れたんだ?
と、前をのしのし歩いていたハートの女王がトランプ兵をフラミンゴとヤマアラシに変えて、クロッケーを始める。
と、突然の怒鳴り声。
「首をはねよ!」
は??
俺は薄暗がりのアル周囲に集中していたため、何が起こったのかわからず、とにかく手の中のナイフをぐっと構えた。
舞台袖には大輔が待機してくれているから、大丈夫なはず…。
それに、高らかに危害を加えるなんて宣言しねぇ。
これは、シナリオ通りなんだよな?
でも芝居に見せかけての殺人なんて、推理小説ではよくある話。
ああ、もっと確認するべきだったな。
俺の心配をよそに進行は続く。
兵隊がタルトの乗った皿を持っている。
その手はハートのジャックと繋がれ。
「まず処刑!」
と女王が叫ぶと、アリスが立ち上がる。
「トランプのくせに!」
花野ちゃんだけじゃない、他の女のコたちの声も入り交じって会場に響いた。
その後、同じ台詞が不気味な男の低音で響く。
「トランプのくせに!」
するとテーブルの色が黒に変化し、脚も2本が消える。
クロスが黒く染まり、それらは1羽の大きなカラスに形を変えて羽ばたくととともに、その場にいた全員がいなくなった。
アル……この芝居、俺の心臓に悪ぃ……。
真ん中のアリスの腕をつつく、思春期ハッター。
その横の席で、お互いの口にスプレーを振って遊んでいる堅物ウサギと、ちょございネズミ。
2人は、こそこそと耳打ちをして頷きあった。
ウサギからケーキを渡されたアリスが、ハッターに「あーん」と、食べさせようとする。
ハッターがパカッと開くと、その口内にシューっとネズミが吹き入れた。
口元に手を当てて驚くアリスに、口を閉じて難しい顔のハッター。
男3人、口に何を入れたんだ?
と、前をのしのし歩いていたハートの女王がトランプ兵をフラミンゴとヤマアラシに変えて、クロッケーを始める。
と、突然の怒鳴り声。
「首をはねよ!」
は??
俺は薄暗がりのアル周囲に集中していたため、何が起こったのかわからず、とにかく手の中のナイフをぐっと構えた。
舞台袖には大輔が待機してくれているから、大丈夫なはず…。
それに、高らかに危害を加えるなんて宣言しねぇ。
これは、シナリオ通りなんだよな?
でも芝居に見せかけての殺人なんて、推理小説ではよくある話。
ああ、もっと確認するべきだったな。
俺の心配をよそに進行は続く。
兵隊がタルトの乗った皿を持っている。
その手はハートのジャックと繋がれ。
「まず処刑!」
と女王が叫ぶと、アリスが立ち上がる。
「トランプのくせに!」
花野ちゃんだけじゃない、他の女のコたちの声も入り交じって会場に響いた。
その後、同じ台詞が不気味な男の低音で響く。
「トランプのくせに!」
するとテーブルの色が黒に変化し、脚も2本が消える。
クロスが黒く染まり、それらは1羽の大きなカラスに形を変えて羽ばたくととともに、その場にいた全員がいなくなった。
アル……この芝居、俺の心臓に悪ぃ……。
