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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

焼肉店の裏に通じていたのは、見通しのよい畑横の農業用道路だった。

ああ、この辺り一帯が大将の畑とか聞いたことがあるもんな。
そのため、周囲民家の被害は少なそうだ。

ただ、もしこの爆発が故意なら、狙われたのは誰だ?
有名人もいたようだけど……。

俺たちだってなら炙り出したところを狙撃する可能性だって充分。
でもそこまでして殺そうとするなら、あんな爆発を起こさずに、そっと近づいてナイフでひと突きの方が確実か…。

幸いに高層ビル街ははるか遠方、俺は付近の死角を警戒しながら比較的歩きやすい砂道を靴下の足で歩く。

といっても夕飯時。
爆発音に誘い出された野次馬な人々が、そこらでちらほらと見え隠れする。
中には双眼鏡で覗く輩も。

この状態で殺意を察知できるヤツなんているのかよ?
スコープに映ったら感知できるシステムとか、アルに作れないかな?
落ち着いたら聞いてみよ。

閑散とした児童公園に辿り着き、大きな遊具の傍らで全員の状態を確認する。

和波さんが腕にやや広範囲、だけど軽度に火傷をおっているくらいで、他:アル、花野ちゃん、居松と俺は目立った外傷はないようだった。

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