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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

運転手がさっと降りてきて、俺たち3人と軽く言葉を交わす。

「めっちゃ元気」

と両手を広げるアルに歯を見せながら、後部スライドドアを開けてくれた。

中身はほぼ普通のワゴン車だった。
人っこひとり隠れてはいないので、そのまま車内に足を進める。

一応サイレンを鳴らして走るので、そこかしこで前を行くクルマが路肩に停車して救急車を見送った。

大通りに出る前に遠目に見えたあの焼肉屋の正面は、片隅が未だくすぶっている様子だった。
駐車場にあるはずの俺たちのクルマは、消防車の影に入って、ちょっと見えない。

「何があったか聞いてます?」

居松が運転手に話しかける。

「いえ。私は怪我人がいるから迎えに行けとしか聞いていませんので。皆さん、軽症で何よりです」

"ウー"という警戒音を出しながら、赤信号の交差点をそろそろと進む。

俺たちを乗せた救急車は、N記念病院の敷地に入っていった。

そこでは先程、花野ちゃんたちを乗せた救急車が引き返すところだった。

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