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僕ら× 1st.

第26章 ディスポ --Shu,R

と、後続の救急車が3人を降ろす。

うわー、見るからに場違い。
あの3人が本気でここに運ばれるなんてないだろう…と思うくらい元気そう。

院内のことは3人に任せて、俺は外周を警戒する。

見回すと、アル兄たちを乗せていた救急車が、病院敷地駐車場に停車したところだった。
降りてきた運転手は、そのまま歩いて駐車場内の別のクルマに乗り込んだ。

?救急車搬送後、直帰なんてあるのか?
車種ナンバーを確認し、小柴さんに知らせる。

数分で返信が来た。
親父にくみするWのクルマで、Wは自分の娘をアル兄に嫁がせたがっている、と。

なら、"味方"でいいんだよな?
なぜ正体を隠してアル兄を搬送した?

そのうちに通用口から、あの医者が出て来た。
早いな…診察が終わったのか?
だからってどこへ行く?

そういえば、さっきの"無傷らしいです"って会話、怪しいよな。
無傷なのが残念であるかのよう。
それに、"当人は"って、、はじめっから的を絞っていたような。

俺はかまをかけてみようと近づいた。

「こんばんは、Wです。お迎えにあがりました」

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