
僕ら× 1st.
第28章 カーバンクル --Ar,Kn
リースが後方でキーボードを弾きだすと同時に、小柴とイチが話し始めた。
「可哀想に。捕まりたい感じだな」
「この年末、屋根と食事のある場所で過ごしたかったんでしょうか?」
留置場の方がシャバよりマシてか…。
「いや、同情できねぇよ」
何だって今日、俺ん家を狙うかな。
今頃は、ひとつになった花野ちゃんとの一時の別れを惜しんでるはずだったのに…。
まだまだくすぶる俺を尻目に2人は続ける。
「火事を起こすメリットは、何だと思う?」
「共犯者が消防士に紛れた可能性が?俺とリィ兄が入った時、怪しい動きをする輩はいませんでしたが…。身元確認まではできませんでしたから、わかりませんね」
「救助のふりして本宅への経路を探せるよな?通路を開けられてはないようだが。…どっちにしろ、アルの痴情のもつれではなさそうだ」
「たはは」と俺がため息をついていると、"パンっ"と小柴が手を鳴らすので、反射的に背筋が伸びた。
「可哀想に。捕まりたい感じだな」
「この年末、屋根と食事のある場所で過ごしたかったんでしょうか?」
留置場の方がシャバよりマシてか…。
「いや、同情できねぇよ」
何だって今日、俺ん家を狙うかな。
今頃は、ひとつになった花野ちゃんとの一時の別れを惜しんでるはずだったのに…。
まだまだくすぶる俺を尻目に2人は続ける。
「火事を起こすメリットは、何だと思う?」
「共犯者が消防士に紛れた可能性が?俺とリィ兄が入った時、怪しい動きをする輩はいませんでしたが…。身元確認まではできませんでしたから、わかりませんね」
「救助のふりして本宅への経路を探せるよな?通路を開けられてはないようだが。…どっちにしろ、アルの痴情のもつれではなさそうだ」
「たはは」と俺がため息をついていると、"パンっ"と小柴が手を鳴らすので、反射的に背筋が伸びた。
