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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

~吉坂侑生side~

「花野ちゃん。会いたかった!」

あれからなかなか会えなくて。
どうにか彼女の誕生日は時間を作ったけど、授業終了後の門限までなんて一瞬で。

今日は、何がなんでも彼女といたかった。
思い出さなくてもいいように。
泣かなくてもいいように。

一昨年の今日は、彼女が伊織と別れた日だから。

ドアを開けて、見つけた彼女を抱き締める。
唇を奪い、手はブラウスの上から胸を……。

これはもう、不可抗力。

「侑生君。あ、……ダメ」

「ダメとか言うなよ。もう、好きすぎて狂いそう。……花野ちゃん、こっち」

「え?あ、やだっ」

俺は彼女を音楽室内の倉庫に連れ込む。

「会いたかったんだ…すっげ会いたかった。花野ちゃんは?」

再び抱き締めて、額と額をくっつけて彼女に尋ねる。

「私も、会いたかったよ」

キスしてキスして。
彼女のブラウスのボタンを外す。

「侑生君っ」

「触りたい……。最後まではしねぇから」

その言葉で動きを止めた彼女。
それを"了解"ととった俺の右手は、ブラウスの中に入り込む。

「やっ」と声を漏らす彼女の口に、左人差し指を1本当てる。

「静かにしてないと外に聞こえちゃうよ?」

今日は、伊織との別れなんて忘れるくらいの一時を、俺と過ごそう?
その思いは俺の欲望と手を繋ぎ、加速する。

正直言って俺、飢えてる。

伊織の気配が見え隠れするこの季節。
キミからの好意を肌で感じたい。
キミに好かれているのは俺なんだと、自信を深めたいんだ。

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