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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

「可愛いっ。花野ちゃんっ」

プール後の車内でしたような、濃厚なキス。
俺の舌が彼女の口内を舐めあげる。
狭い倉庫に湿った音が渡る。

「花野ちゃんもっ、舌…。俺に絡めて」

そうは言っても、彼女の舌は俺に触れるとすぐに引っ込む。

…伊織とはどんなキスをしてたんだろ……。

スッと彼女の背後にいる、その影を浮かべてしまう。
今や、ネックレスも俺からのものなのに。

何考えてんだ、俺。
彼女の過去の男にこだわりすぎ。

彼女が好きなのは、俺。
この瞬間、彼女にキスしながらモチモチおっぱいを揉んでるのは、俺。
すっげぇことじゃねぇか!

それに、何なんだろうこの心地よさ。
やっぱ、食品なんかじゃ例えらんねぇ。

PVA(洗濯のり)混入スライムみたいな…。
それじゃ冷たいか。

だったら、極みはウレタン樹脂かな。

研究室に原料あったっけ。
今度、合成してみよっかな…。

はわぁー、きもちぃ……。

浮かびあがりそうな俺は、彼女の腹部に自身を押しつける。

「俺の、またこんななっちゃった」

戸惑う彼女は視線を別方向へ泳がせる。

俺、もう後戻りできねぇくらい…キミがほしいよ。
って思うけど。

ここは彼女との約束を守らなきゃな。
だけど、もうちょっと…。

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