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僕ら× 1st.

第28章 カーバンクル --Ar,Kn

と、突然ドアの向こうから鳴り出すギター。

イチめ、やって来たか…。

無視して続けようと思った。
彼女も声を我慢しなくて良くなるし。

そろそろ、この乳首ちゃんにキスをしたいし……。

なのにジャンジャカジャンジャカと音は強くなり、彼女の目がパッチリ開いた。

くるっと俺に背を向けて、ブラウスのボタンを閉めだす。
こうなったら無理強いはできねぇな…。

俺は深い呼吸を繰り返して、彼女の頭を撫でるけど。
何も反応しない彼女に、俺の不安が戻ってくる。
もしかして、ちょっとやり過ぎた…?

背中に一筋の緊張が走る。

「…花野ちゃん、怒ってる??」

無言で横に首を振る彼女に俺は、くしゃっと笑みが漏れる。
そして、心がじわっと温かくなる。

「よかった。俺が…」と、手を止めさせて、もう一度手を入れて直してあげる。
離れる際、お調子者の俺の手が全体をモミモミっとした。

あーっ、やぁらけぇっ!

「もう、侑生君は」と彼女が、キャミとブラウスをスカートにしまう間。
「また今度な」と息子を言いくるめるけれど、そんなに簡単に聞き分けてくれる筈もなく。

そしてまだまだ顔の赤い彼女も、イチのいる部屋には進み辛く。

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